21-拾「屁理屈王という称号」

自分の言語能力はすこぶる低い、と思って生きてきた。

 

喋りは下手だし

文章もダラダラとまとまらない。

言いたい気持ちを表す言葉が出てこない。

 

しかし、ちょっと視点を変えて

言葉の使い道の中から

「言い訳」にスポットを当ててみると……

 

ああ!使ってた!しかもかなり……

ということに気がつく。

 

 

子供の頃から「なぜか」

口ごたえするな!と怒られることが多かった。

 

別に意識して反論したわけじゃない。

自分の気持ちを伝えただけなのに

そんなふうによく怒られていた。

 

そして強烈で決定的な思い出が

「屁理屈王」という不名誉な称号で親から呼ばれたことだ。

 

あれはNHK中学生日記という番組だったか、

何かにつけてすぐに反論する女の子が

「屁理屈王」というあだ名で呼ばれるというストーリーのドラマが放映された。

 

そのドラマをみて両親共に

「まさしくぷにそのものだ」と大ウケしたのだった。

 

私はとても心外だった。

あのドラマの生意気な女の子のように

私は見えているのか?

私はあんなんじゃない、と

すんなり受け入れることは出来なかった。

 

それからしばらくは何か言うたびに

「ほんと屁理屈王やね」とそのワードを

私を止める切り札のように使ってくる親だった。

 

強烈に印象に残る記憶はそこまでだが

自分をよく振り返ると、私はその後

おとなしくなるどころか

「居直った」ような気がしてならない。

 

記憶が朧げな頃から

口ごたえするなと言われていたと言うことは

私は「ほぼ反射的に」反論に見えるような形で言葉が口に出るような子供だったんだろう。

 

そこへ「屁理屈王」のドラマで

客観的に自分の姿を見せつけられ

ショックは受けたものの

からかわれたことで余計に

「言って何が悪い」みたいな居直りで

おそらくますます定着してしまった気がする。

 

家庭という場をでて

学校や職場などの社会に出ると

一見「何も言えなくなってしまう」ような場面は

確かに続いてはきていた。

 

だけど自分にとって不利な状況になったとき

言い訳や弁解はすぐ口に出てる……んじゃないか?

 

今まで無自覚だったが

言い訳や反論という視点で見てみると

思い当たる節は……あるな(笑)あるある!

 

さらに言えない時も頭の中では

「ああいえばよかった」

「これさえ言えてたら」

とぐるぐる考え続けてる、そう言えば。

 

そう考えると

私は言語能力が無いのではなく

言い訳とか反論の方向に、

かなり偏って使っていたのかもしれない。

 

もうちょっと知的方面にバランスを取りたいものだ。

 

 

そうそう、バランスといえば

社会に出てからは

「人それぞれなんだから」という考えを持つようにはなった。

 

こはちょっとは進歩したのか、と思いたいが……

 

ただ、この「人それぞれ」が

全く通用しない相手もいるのは確かなのだ。

 

「それは人それぞれだからね」というと

「それを言い訳にして逃げてるだけだ」と噛みついてくる。

 

噛みつかれたら「何ィ?!」と反応し

「どう言って切り返すか」に意識を集中させるあたり

自分はまだまだである。

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「S4」「S2」

まずシャッフルしようとしたらS4カードが裏返って見えてたので採用。

その後に山からカードを引いてS2。

うーんどっちも天秤座のカードだ……困ったな

と悩んだけれど「言い訳」「妥協案」というテーマで今回の内容となった。

過去の反省も込めて、言葉は、快適な方面で活かしたいものである。