21-20「同年代」

図書館で借りて読んだ本の著者の中には、私と同年代の方々もチラホラいた。

 

子ども時代〜数年前までは「本の著者」なんて、自分よりもずっとずっと上の世代の文豪とか、どっかのお偉いさんが書いてるみたいな印象だったが、ずいぶん世代的には身近になったのだな、と感じた。

 

本を開いて、著者プロフィールを読み、自分の生まれ年にビンゴやニアミスの著者の場合は「やあやあこんにちは!読んじゃうよ!」みたいな親近感が勝手に湧くのは不思議なものだ。

 

また世代が違っても、自分の出身地や居住地が近い著者だと「おお!!地元民だ!!」って親しみが湧く。

 

 

逆に、名前と現職までの功績みたいなのはたくさん書いてあるのに、生まれ年や出身地が書かれてないプロフィールも割とある。

 

○○大学をでてる、とかナントカ会社の代表やってる、というのだけを見ると「へぇ……すごいね」と感心することはあるけど、出身地や生まれ年ほど親近感が湧く感じにはならなかった。

 

そういう意味では、著者プロフィールは、読み手に共通点を持たせる要素が、ある程度ある書き方の方が、本編の中身にも入って行きやすいんだな、と思った。

 

 

さて、何人かいた「同世代著者」が書いた本のひとつに「本はぜんぶ読むな」という考えをかいている内容のものがあった。

 

 

で、こちらも

「へえ、それならこっちもつまみ食いだけで済ましちゃうよ?」

みたいな応戦のつもりで読み始めたら……

 

これが絶妙に面白く

なんと最後まで読破してしまった(笑)やられた(笑)

 

実例を小説風に書いた後に、その解説を書いてる。2つのモードが交互に描かれる形式で書かれていた。

 

小説モードなど飛ばす気満々だったが、主人公設定の青年が、めちゃめちゃ自分に重なる部分が多く、予想外に引き込まれてしまったのだった。

 

「ぜんぶ読むな」という主張の本を、ぜんぶ読ませるとはおみそれしました(笑)

 

悔しいけれど、著者の一本勝ち。

いいなあ、こういう「こちらが負けました」的な面白い文章が書けるって素晴らしい。

 

それを、自分と変わらない同世代の人がやってのけている。さらにさらに素晴らしいことだ。